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zoom RSS けったいな物。

<<   作成日時 : 2005/09/12 23:51   >>

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さて、昨日の夜から書き続けていたとある学会の記念講演要旨。
どうにも漠然としたテーマすぎるので、基礎の確認と引用文献を求めて、今日は博物館へ。

の前に、お昼が来てしまったので、市内の某105円手作りパン屋さんへ寄って昼食を購入したあと、ちょっとした買い物でN市へ寄り道。目当ての物をみつけ、余分な買い物もしてしまった後、博物館へ向かいました。そういえば、帰り道には以前、m-urabeさんのBlogで、けったいな物があるという場所が近かったので、寄り道してみることに。

・・・なるほど、本当にけったいな物である。一目見て、開いた口がふさがらなくなった。

僕の専門も絡んでいるゆえ、このような計画があることを早期に発見できず、残念です。
今度、県の担当者になぜこのようなものを作ったのか聞いてみよう。

さて、そのけったいな物でありますが、確かに口では説明できません。
が、あえて説明しようとすると、水田地帯に設けられた多自然型川作りの施工後の様子です。
もはや、多自然というよりこれは他自然ですが。またしてもやってもうたか。

よく見るとこの多自然型水路の大きな看板がありました。
大きな売りは4点。

1.魚が遡上できるように水田の排水口に魚道をつけました
>排水口の堰板が高すぎますよ・・・魚道は通れても、多分魚が入れません。

2.多様な魚類が生息できるように深みを作り、陶管をいれています
>あの、深みにどう見ても放流されたと考えられるコイが泳いでいるんですが・・・

3.深み工の上に屋根を設置し、魚に日陰を作ると共に、屋根に土を盛ることで、
  人気のない草原を好む野鳥の生息空間を作りました。

>もう意味不明。日陰は岸にできてますよ。深みは直射日光当たりまくりです。
  おまけに屋根は草ぼうぼうです。そして、僅か3m×1mくらいの屋根で草原というなんて。
  周りの休耕田の方がよっぽど鳥も生活しやすいです。
 
4.ホタルの幼虫が上陸しやすいように、石積みにし、岸には土を残しました
>ここにはホタルの幼虫が昔からいたのでしょうか?

と、まあ突っ込みどころ満載の水路です。
覗いて見ると、川の中にはギンブナ、オイカワ、ヌマムツ、ヨシノボリ、メダカ、カマツカの姿。
あと、梅雨時に産卵にくるであろうナマズと多分いるだろうドンコとドジョウを追加して考えても、
2と3は明らかに不必要と考えられました。これならその周辺にある普通の用排水路の構造で
十分です。誰かこの設計に生物の関係者は加わっていたのでしょうか?それが心配です。

県内では、生物の研究者も交えて最新の保全事業が実施されているにも関わらず、一方では
この有様。たとえ出先機関が行なったにしても、もう少しマシなものを作って欲しかったと思います。
さらにこの施設の管理が地元の集落になっていました。作り逃げの体制だけは避けて欲しいと
思っているのですが・・・

と、けったいな物を見て博物館へ向かいました。で、深夜になっても要旨はできないまま・・・
情報を提供してくださったm-urabeさん、ありがとうございました。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
荒川リバーウォーク?(9/17)15 多自然型工法
 この写真の左手に見える堤防の緑は、多自然型工法と言われるものです。よく水中を見ていただくとコンクリートの構造物が見えます。地上部は完全に雑草に覆われています。ちょっと見ては気がつきません。堤防の川側を増水時に守る護岸です。ここで復元している自然は、周囲とどういうふうに調和したのでしょうか。コンクリートだけの護岸よりも余ほどいいと思いますが、意図したものが復元し、周囲と調和したのであれば、なおよいと思いました。 ...続きを見る
荒川自然倶楽部
2005/09/23 18:45
こういうことをやっているから公共事業が不信感を招く
自然生かした川づくり 9割が不自然 情けないことだ。やっつけ仕事ともちょいと違う ...続きを見る
薄唇短舌
2007/01/11 19:28

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
ホタルですが,K茂先生の話では,施工と同時に消滅したそうです。見たと思いますが,岸に造ってある土洲(何と言っていいのかわかりません)が,水面すれすれの低さなんですよね。あれではサナギが水没してしまいます。
m-urabe
2005/09/13 09:49
確かに、ケッタイですね・・・。
ちなみに、大辞林で草原を引いてみますと・・・
草原・・・草のしげっている野原。
野原・・・人家のない、草などの生えた「広い」平地。野。のっぱら。
屋根には笑わせていただきました。とはいえ、笑ってはいられない状況ですね。
Uた
2005/09/13 23:00
m-urabeさん、Uたさん、コメントありがとうございました。
今日、K東地域振興局に会議で出かけたついでにこの事業をやったであろうK北地域振興局の担当者を教えていただきました。ひょっとしたら同じようなことを他の地域でもやりかねないので、一度本庁の人間も連れて話に行ってみようと思います。
ホンマに笑い話ですが、こんなんが県内に蔓延したら、えらいことです。
シゲ。
2005/09/14 00:01
こんにちは はじめまして
とおりがかりに見つけ、思わずトラックバックとリンクさせていただきました。多自然型工法も十分に咀嚼されずに、ところかまわず、何もしなくていいところまで、おかなしなことをしているということもありそうです。熱意のから周りのようなものを見ると役人として悲しくなります。やはり、技術としての仕事は、実施後も科学的技術的に検証されることも必要であると思いました。
そら
2005/09/23 18:52
そらさん、ようこそいらっしゃいました。
やはりこのような改修に関して、実際に施行する土木分野の方と守りたい対象をよくしる生物分野の方が連携しないと、良いものはできていかないというのを痛感した水路でした。当然、実施後のアセスメントも重要化と思いますが、もうひとつやはりそれをどうやって地域が管理していくのかも含めて、これからの多自然型のあり方を考えて行って欲しいと思います。
シゲ。
2005/09/25 17:44
新春早々凄いものを見せていただきました。感謝。
地方議員になってから4年近くなりましたが、行政とは本当にミラクルワールドです。
takeyan
2007/01/09 22:39
>takeyanさん。
はじめまして。この写真と水路だけはホンマに知っている人が見ると一瞬固まってしまいます。なぜ、これがそのままできたのか・・・と。私も一地方公務員ですので、ミラクルワールドというのはよくわかりますです・・・。
シゲ。
2007/01/10 01:10

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