学芸員のひよこ

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zoom RSS 博物館≠研究ゆえの悩み。

<<   作成日時 : 2006/12/07 23:25   >>

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午前中、広報の記事書いて、回議書(×3)作って、契約関係の仕事をこなして、助成金関係の手続きをして・・・と信じられないスピードで事務仕事をやっつけました。いっつもこんな効率でできたらいいのだが・・・。

さて、午後からはK新聞の取材がありました。
地域版ですが、様々な分野で活動をしている若者を紹介するコーナーの取材。
M新聞やY新聞、C新聞などでも今まで同じようなコーナーに取り上げてもらったんですが、K新聞は初めてでした。しかも今までは記者一人での取材だったのに、なんと今回はカメラマン付き!!

記者さんも色々と事前に僕の事を調べていたらしく、僕が淡水魚の研究をしている、ということを知っておられたので、博物館に来た際には「ここには魚がいないんですか?」とえらく驚かれていました。やはり魚類を研究している学芸員がいる=博物館には水族展示がある、というイメージがあったのでしょうか。

しかし、残念ながらウチの館では、博物館≠僕の研究という現状です。ホントはビシビシやりたいけどできるだけの余裕が身体的にも精神的にもない、という状態です。おまけに館内では評価対象にもなりませんし。ですから、今の自分の中で研究活動は仕事終わってからもしくは休みの日などの自分の時間を使ってやる、という風になっています。学会や研究プロジェクトの会議への参加もすべて休みをとって・自腹参加です。

だからゆえ、博物館内で大声を上げて魚のこととか、魚の研究をやってる、とは叫べません。
本当は、自分の専門を生かしてもっといま魚の世界で起こっている現状を知ってもらいたいです。でも、ウチの博物館の学芸員という形で新聞というメディアに掲載される以上は、ウチの博物館や、役場関係者も見る可能性がある訳なので、研究(しかも場所が町外なので)という言葉を大声で叫べない現状があるのです。今のポジションでは、研究をすることや、学位を目指すことは仕事ではなく、個人の趣味程度にしか思われていないからです。前に博物館の仕事として大学へ講演に行った時ですら上から「公私混同だ」と上から言われましたし。

「今の目標は学位をとることかな?」とも聞かれました。当然、それは僕の中での大目標ではあるのですが、今の博物館にいる以上、別の事を言わざるを得ません。それが記事になってしまったら、仕事以外のことが何で出てくるんやというツッコミがかかるからです。

という訳でいろいろと取材してもらったんですが、自然と研究の話からは話題をそらしてしまい、どちらかというと博物館の発展のための夢を語りました。当然、これはこれで学芸員をやっているな中での夢ですから。


一方で、館外からの視点になれば「博物館=研究」という視点に変わります。
博物館関係者以外は、そう思っている人の方が多い、いやほとんどではないでしょうか。

研究をしたいけど、研究はできない、でも外からは研究をしているように見られているので成果をもとめられる。
これが今の現状です。


このような葛藤は、就職した当初は感じなかったのですが、最近は少しずつ感じるようになりました。館のことを考えると、研究という「個人レベル」の活動は博物館の活動にはいるのかどうか悩む日々。博物館にも「地域型」と「テーマ型」というあり方がありますが、地方博物館の研究でもそういう2つのタイプの研究が必要だと個人的には思っています。もちろん、「テーマ型」研究を将来的にはウチの博物館の研究としても位置づけたいとは思っています。それはこれから個人レベルの研究を博物館活動につなげていく成果をみせつけていくことで少しずつ訴えていけたらと思っています。

で、いったいどういう記事になるんだろう?
記事がでるのは、来年になってからだそうです。

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
博物館っていうと、美術館の親戚のように、展示によって来館者とコミュニケーションをとる施設っていうイメージが強いよね。来館者にとって学芸員さんって展示のためにお仕事してるって思ってる人が多いんじゃないかな。しかも学芸員が研究者であり続けるためにかなりの努力を要する事も知らなくて、研究者っていうのは学芸員になったことで達成されたようなイメージを普通の人は持っているのかもね。それをお互いに理解し合えていないことが、研究者と一般市民の溝を埋められない原因のような気がする。毎日大変そうだけど、くじけずにがんばってるところがすごい!!夢がかなうといいね。
鈴音
2006/12/09 18:55
>鈴音さん。
こんにちは。コメントありがとうございます。
ホントはどの職業でもそういう外からみた時と内からみた時のギャップというものは生じてるんでしょうね。なるべく外から中の仕事が見えるように僕自身もそれをテーマにした企画展なんかも考えています。やっぱり、顔が見えるお付き合いでないと、うまく行かないですもんね!!
僕は今、自分が出来るだけのことを頑張ってやっていきます!!
シゲ@別府。
2006/12/11 14:22
論文を異国の言葉でひたすら書き,それを教授に見せてボコボコに言われる日々もつらいっす.しかも,逃げ場のない半島の先に隔離されたような実験所では...それでいて,保全関係の仕事は無情にもe-mailや郵便で次々送られてくるし.それをやってるとまた教授にあれやこれや言われるし...あーあぁ...お互い辛いこともありますが(辛いことばかり?)がんばりましょう!!僕から見れば,安定した仕事があるだけでもすごく羨ましいですよ.
あゆも
2006/12/12 15:45
>あゆもさん。
お互い辛い日々ですな・・・。論文は時間のある学生時代に書いとかないと後悔するヨ( ̄ー ̄)。
学芸員になってから日々思っていることは、博物館や学芸員というものが何によって成り立っているのかということをもっと広く知ってもらえるように努力をしていかなくてはいけないということです。そして、もう一つは学芸員という仕事に誇りをもつこと。これがないと、今の状況は打開できないんではないかと思います。
こういう毒はホントは吐きたくないですからね。未来のためにも頑張りマス。
シゲ。
2006/12/17 21:52
立場は違いますが、私(美術の学芸)も地方で奮闘しているつもりの一人です。
辛いことや悩みも多いですが、最終的には「私がやらねば・・・」と
振り出しに戻ります。
時代や地域のこともあるでしょうが、この悩みを聞いて私自身も済われました。
なんとか、次に繋げて、孫の世代にはもう少しマシな世の中にしてあげたいです。
もんりん
2011/07/10 02:49

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