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zoom RSS 自然生かした川づくり、9割が「不自然」。

<<   作成日時 : 2007/01/09 23:03   >>

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生物やビオトープ関係で、色々とお世話になっているforestさんがmixi日記で
こんな記事を紹介されていました。

自然生かした川づくり 9割が「不自然」
http://www.sankei.co.jp/keizai/kseisaku/070109/ksk070109002.htm

現在、県や国の色々な事業に生物を研究している立場として関わっているのですが、この記事のとおり「自然を生かした」とか「環境保全」という名前だけで結局は実施のためのハンコ押しの役をさせられ、事業のための事業で終わってしまうものがほとんどで、自分としては悔やまれるばかりです。しかも、地域の方々も補助金がでるからという理由だけで巻き込まれているものまであります。決して同じことは繰り返してはいけない。そして、せっかくやるなら、当事者である地域の方々も含めて合意的で合理的な事業にしなくてはいけない。そんな想いで、自主的にも現地調査に行って提案できることは提案してきたつもりです。

でも、地域の関わりと自分たちがやったことの事前事後の調査・評価が欠落している以上はなかなか発展を遂げることができず、何度も何度も同じことを繰り返しているように見えます。forestさんも書かれたように、こういう事は、現場に出ていた私達にとってはもう数年も前からわかっていたこと。でもこういう記事が社会にでることで、社会的に広く問題を訴えかけることができるかもしれません。

研究者の目、地域の目、報道の目、行政の目、そして子どもの目。様々な視点でこれから評川づくりを評価をしていく時代を作っていかねばと感じました。さっそく今度地元で話す機会があるので、きちんとした川の見方というものを皆さんと一緒につくっていきたいと思います。



しかし何といってもこれの究極系はあのけったいな物でしょう。
博物館活動をいつも助けてくださるのんさんにも新春早々に初笑いを提供してしまいました。
最近身に行ってないので一度行かねば・・・。

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コメント(11件)

内 容 ニックネーム/日時
頭で考えるのと実情が違うってことでしょうか?
今日、市内の書店から本の補充注文があり、
ある社員にその用意をさせたところ、
ご丁寧にダンボールに梱包してしまいました。

お届けすれば、すぐ棚に並べてくださるという、
本の流れがわかっていなかったようです。

環境にこだわっているといってた彼女ですが、
小さなコンテナに入れるか、紙包みごと納品すれば、
ゴミが少なくなる、一枚100円以上するダンボール代も
節約できるのですけどね。

お魚の生態を知ること、商品の流れを把握すること
どちらも一、二歩先のことを考えればなんてことないはず
なんですけどね。


木綿屋おせん
2007/01/10 01:43
私もこの記事読みました。
学校の友人が川について研究しているので、すごく気になる話題です。
こういった記事が社会に出ること自体が、少しずつ一般化してきた問題となってきたのかな、とも思うのですが、事業が「うまくいく」にはほど遠い気がします。
春から事業を展開させる立場になるにあたって、こんな問題をきちんと「おかしいこと」と捉えて、専門職としてやるべきことをしっかりやっていきたいです。
なつこ
2007/01/10 08:58
この記事、僕のまわりでも話題になりました。

>自然を生かした川づくりには河川工学のほかに、生態学の知識も必要。
こうした専門家は極めて少なかったのも誤った川づくりの原因とみて、

ん?生態学を専攻して就職で苦労してる人
たくさんいると思うんですけど…。
今後こういう仕事増えるといいなあ。
よしお
2007/01/10 10:21
社会的に大きく取り上げてくれれば,少しはいい方向に向くかも知れませんね.向いた後に後押しするのは事業に携わる有識者さんのお仕事ですね.ガンバレ シゲさん!
先日も岡山の希少種保全の会議で,積極的に保全に勤めようとしてくれている国○省の担当の方が「ここは多自然型工法でやります!」と胸を張って言ってました.もちろんそんなんじゃぁおえんよって言っておきましたけど...
中四国の環○省は来年の予算で希少種保全のための工事関係のガイドラインを作りたいと言っています.またガイドラインですかぁ...工法まで画一化しすぎないように注意が必要です.
いま僕が関わっている川で,そこにすむ魚のことを考えて,市販の魚巣ブロックをあえてさかさまにひっくり返して使うという荒技を試しています.うまく魚たちが気にいってくれるといいなぁ.
アユモ
2007/01/10 15:28
人間中心すぎるんですよね。ぜんぜん生き物の気持ちを理解してないですよ。
R.K
2007/01/10 20:37
多自然、という言葉を創ってしまう行政には脱帽です。天を仰ぐだけですが。
もう一つ、「環境創出」というのが天才的ですね。
私が前に暮らしていた沖縄では、埋立てがらみでオカヤドカリのすみかを創出する事業がありましたが、海で浮遊幼生生活を送ったり、上陸してから小さい貝殻を探して中に入り込む生活史、生態が全く無視されていました。事業予算が認められて実施されてから後は、いくら文句を言っても効果がないので、事前のチェックが必要です。希少生物の保護を逆手にとり、口実にする公共事業が目立ちますが、つくづく役人の皆さんの頭の良さに驚きます。
beachmollusc
2007/01/12 11:47
おおお。やはりこのネタは反響がありますね。

>木綿屋おせんさん。
そうなんです。一歩、二歩先の事を考えて物事を考えることが今の川作りには足りないんですよね。日本は「完全なる完成品」を作るのが得意なので、どうしても対処療法的な対策がメインになってしまうのも問題かと思います。

>なつこさん。
「事業がうまくいく」というのは本当に難しいですよね。施工者からすれば魚1匹住みついただけで「成功!!」と言ってるようですし。。。何ができれば「うまくいった」のかを総合的に判断できるようにしないといけませんね。春から頑張ってくださいね!!

>よしおさん。
どうしても土木関係の中で「生態学」の居場所がいい加減に扱われてきたのでしょうね。応用生態工学なんかはその壁を解消するためにつくられた学問ですが、まだまだ垣根は高そうです。一方で、生態学も純粋生態学を一歩進めてこれからの川作りに行かせるよう、広い視点で物事をみることができて実践可能な研究事例を増やしていかないと、いつまでも歩みよることができないように思います。
シゲ。
2007/01/13 01:47
>アユモさん。
本当に、後押しだけでなく、先陣切ってやっていくくらいの気合を私達ももたないといけませんね。僕らがフィールドで養ってきた勘というものは、図面に書くことは出来ないので、土木の人から嫌われがちですが、ヘタな図面書くよりは十分活かす事ができるものと信じています。ここらへんの折り合いをどうつけるかが課題ですね。アユモさんも頑張れ!!

>R.Kさん。
結局人間は他の生き物の声を聞くことができないので勝手な妄想でモノを作ってしまうんですよね。そんな中で少しでも生き物のメッセージを伝えるのが、私達の役割であり使命かなと思っています。

>beachmolluscさん。
こういった公共事業、数少ない成功例だけが蓄積されて、めちゃめちゃ多い失敗例や課題が蓄積されない(=同じことの繰り返しをしてしまう)、というのも問題だと思っています。そういう意味で今回の不適切な事例集というのは反省の意味もこもってるのでしょうかね?
シゲ。
2007/01/13 02:02
参考までに。
これまでの「多自然型川づくり」レビュー委員会の資料や提言が
国土交通省のHPに出ています。詳しい経緯を知りたい方はこちらで
資料をご覧下さい。よく見りゃ委員は知ってるお偉い先生ばっかりだな・・・。

http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai/nature-review/index.html
シゲ。
2007/01/13 02:04
門外漢ですが、問題であることもわかりますが、一言だけ。
吉田拓郎とはいいませんが、自然を生かしたと言う時点です
でに不自然かと。保全と保護が異なるのと同じように、だか
らこそ、どうしたらいいのかわからないところもありますけ
れども。そもそも国交省仕事だと口がさけてもあたりまえに
は言えませんが、悩ましいですね。
通りすがりのものですが。。。
2007/01/13 04:48
>こういった公共事業、数少ない成功例だけが蓄積されて、めちゃめちゃ多い失敗例や課題が蓄積されない(=同じことの繰り返しをしてしまう)、というのも問題だと思っています。
その理由として、役人が失敗を認めない(認めると出世のさまたげ)文化を堅持していること、事業担当者が数年でコロコロと交代し続けることがあります。今回の事後評価は一歩前進ですが、事前にお墨付きを与えた「おえらい」先生方はどうなるんでしょう。そもそも「多自然」などという造語を認めるような人は役人の言いなりになる「御用学者」にしか思えません。言いなりにならない学者は検討委員会には呼ばれないし、裁量権を握ったままでことを進める役人相手にたてついてもフラストレーションが溜まります。
beachmollusc
2007/01/13 08:56

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