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zoom RSS 地域で地域の個体群を守るということ。

<<   作成日時 : 2009/05/07 23:59   >>

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GWが終わってやっとまともな休みになりました。
連休中に出勤している関係もふくめて、なんと今日から来週末にかけては
勤務日3日、休み5日というおそろしい日程。(ほとんど平日だけど)

というわけでここぞとばかりに調査、希少種関係の予定が入っています。
今日はとある希少魚について、きちんとした形で地域で守っていくためのやり方の
実践と系統保存を図るための活動をしてきました。
ある地域のある閉鎖的水域で、ある方によりトンデモ個体群が導入されてしまった
経緯があり、このまま放っておくと地域の生態系にとてつもない影響がでてしまうの
では、と県内外の魚類研究者の方々と共に、きちんとした形での保全、導入を行ないたいと
申し入れました。そして、導入された個体を取り上げ、水域をいったんリセットし、
きちんとその地域にふさわしい水系の個体群を私達で導入し、経過を見守っていこうと
いう活動です。

当然、最初の導入も悪意があってやった訳ではなく、水辺のシンボルとして個体群を
譲り受け、放流をされています。ですからそのモチベーションを下げることなく、
きちんとした保全を図るための導きを私達が一緒にやっていく必要がありました。

地域知の中に、科学知を入れていく、ということは簡単ではなく、ものすごく難しい
ことだと思います。おそらく、ほとんどの人にとって、同種であれば産地まで気にしなくても
という考えを持っているでしょう。その一方で研究者側は地域個体群や地域の遺伝的多様性の
重要性を唱えます。この考え、どこで交差しているかというと、ほとんど交差していないので、
互いの大事な情報が伝わりきれていない、そして互いが何かをやるだけやってアフターケアが
ないのが現状でもあります。そういうところで、事故的なものが起こってしまう。
おそらく大部分の間違った生物の放流、導入ってこんな感じで起こっているんだと思います。


幸いにもこの地域で色々自然観察の指導をされておられる古くからの知り合いが
いましたので、その方と共に僕が中心になって、今回の活動は進めていきました。
いま別のプロジェクト研究で関わっている構想の中に、まさに地域知と科学知をつなぐ
役割としての「ハブ」(ヘビの方ではなく、PCネットワークのハブである)の重要性という
ものが提唱されているんですが、今回の場合、ちょうど私達2人が地域と科学をつなぐ
ネットワークハブになっていきました。そういう立場を担っていくためには、地域の博物館とか
インタープリターという存在は大きく、時としては武器として役立つ、重要な役割を
果たせるものだと感じました。

とりあえずきちんとした道筋への第一歩はできました。個体群の動向を見守っていくことも
大事なんですが、あとは、地域も研究者もがっちり組んで、今後の状況を見守っていけるよう、
人と人をつないでいく活動が僕に課された課題かなと思っています。

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