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zoom RSS 書評:台湾淡水魚類原色図鑑 第壱巻 鯉形目

<<   作成日時 : 2006/09/06 23:39   >>

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ひさしぶりに書評。今年の4月に東京へ行った時に購入してたんですが、非常に読んでいておもしろいのでレビューしておきます。いつかこういう図鑑が作りたいなぁ。

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台湾淡水魚類原色図鑑 第壱巻 鯉形目
陳義雄,張詠青著
2005年7月発行 B5判 284pp. 水産出版社
ISBN:957-8596-72-3


 これまでにも台湾の淡水魚の図鑑といえば、沈(1993):台湾魚類誌や、陳・方(1999):台湾淡水及河口魚類誌などが有名であったが、それらを総括し、近年の科学的分類に基づいた図鑑がシリーズで発刊された。第一巻はコイ目(Cyprinidae)であり、3科10亜科46種(うち5種は未記載種として公表)の各種が外部形態、地理分布、生態、付記の項目に別れて詳細に紹介されている。本文は、中国語と英語の2ヶ国語で紹介されているため、国際的にも有用な図鑑となった。さらに付録として、台湾に生息している外来種や分類上疑問の残る種なども紹介してある。

 この図鑑のもう一つの大きな特徴は、写真の豊富さである。すべての種においてオス・メスの写真のみならず、顔の側面や正面の拡大写真、さらには口をあけた状態の写真や生息地の写真など細かに掲載されており、追星やヒゲの位置などが非常にわかりやすい。解説も含めると一種あたりに平均6ページ(うち写真は4ページ)を使用しており、一種ごとの様々な姿がよくわかる。あえて、欲を言えば、卵や稚魚期の写真など生活史を交えた写真も掲載してもらいたかったが、それでも十分すぎるほどの写真の量である。現在の日本で、ここまで詳細に写真を掲載した図鑑は見当たらない。ある意味図鑑の究極のかたちの一つであるといえる。日本に生息しているコイ目淡水魚と近縁な種も多く掲載されているので、写真だけでもなじみやすいだろう。台湾をはじめ、東アジアの淡水魚に興味のある方にはぜひ一読をすすめる。

 なお、このシリーズは全5巻となっており、第2巻がハゼ亜目、第3巻がその他のスズキ目、第4巻がウナギ目などその他の魚種である。最後の5巻は、生物地理や分類、生態など最新の知見をまとめた総論となっている。第2巻以降はまだ日本国内では発売されていないようであるが、今後手にするのが待ち遠しい。

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コメント(2件)

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僕もこれ買いましたよ。
ほぼすべての種でアクビシーンが掲載されているなど、
細部の作りこみが圧巻です。英語アブストもあると
やはり良いですね。いつかこういうの作りたいですね。
おいかわ丸
2006/09/08 12:58
>おいかわ丸さん。
そちらは台風大丈夫でしょうか?
この本の写真をとるために、どれだけの時間がかかったのかと思うとホンマに感服します。僕も顔のアップならいろいろと撮影してますが、なかなかアクビとなると・・・。続く巻も楽しみになってきますよね。
ホンマにいつかこういうのを作りたいです。みんなの写真あつめたら、できんかなぁ。。。
シゲ。
2006/09/17 21:36

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